2023年の印象に残った風景の一つ、ハワイ島のマウナケア山頂です。
ここに見えるのは国立天文台「すばる望遠鏡」のドームと、左の双子はケック望遠鏡です。
ずっと雹と雪の降る中を登って行きましたが(山頂まで道路が整備されているので運転は楽でした)、山頂に着いてしばらくすると見事な青空に変わっていきました。
標高4000m、5月でも気温約0度で、動くと息苦しいですが、宇宙につながっていそうな深い青空が印象的でした。
2023年の年末、20年ぶりにホームページを再開しました。
コンピュータ、ものづくり、模型、音楽、写真など、趣味に関係する情報を時々発信させていただければと思います。
(更新は多分限りなく低頻度と思いますがご容赦を)
ーーーー 鉄道模型と電子回路 ----
再開にあたって、この10年間、ほとんど手を付けずに放置していた鉄道模型のDCC関連デバイスの製作と組み込み作業を始めることにしました。当時、HOのDCC電動ポイントの焼損(下手をすると火災)の可能性を払拭できないことに悩まされていて、その対策を始めたところで中断していました。
バリスタなどの保護部品を取り付けたとしても、それが外れた場合に焼損するのでは不安が残ります。そこで、安心してDCCを使えるように、まずはその解決(少しの異常があっても定格外の動作が起きないようにする)から始めることにしました。
そのあとで、当時構想していた、超低速での滑らかな速度制御を目指したデジタルサーボの実現や、扱いやすい制御機器の製作などにも取り組んでいこうと思います。
電気回路などの技術情報に関しては、技術的誤解や実装ミスが事故につながる可能性があるので慎重に扱いたいと思います。例えば、そのまま組み立てられる回路図などを公開しても、専門分野などが異なるバックグラウンドをお持ちの方々に、設計意図や、潜在的な危険性なども含めて正しくお伝えすることは難しく、様々なトラブルの原因になると考えています。ネット上には誤った技術情報も溢れています。
そこで、当面は、ご自身で設計や開発ができるスキルと、正しい知識をお持ちの方に活用していただく前提で、公知の正確な情報を補った上で実施いただけるような、限定的なヒント情報に留めて公開させて頂こうと思います。
実施内容に説明不足と思われる点が多々あると思いますが、本意ではありませんのでご容赦ください。
---- アップデート ----
2024/2/4:増産に備えて、実装が容易になるように小型化版ポイントデコーダの部品配置を見直しました。KATOの手動ポイントR550+ポイントマシン を対象に、組み込みと動作確認を行いました。
2024/1/24:LTspiceを利用して、ポイント用デコーダのサージ発生時の回路シミュレーションを行いました。実測と同様の結果が得られて一安心です。焼損などのトラブルが起きるような、不安な条件での実機テストを減らせるので、今後の取り組みにも有効に活用できそうです。
2024/1/21:HO4番ポイントにも収まるように小型化したデコーダの製作と、動作状態の検証を行いました。デバイスの定格内で動作していることが確認できました。
2024/1/11:サージを発生させないHO6番ポイントに収まるデコーダを製作しました。複数ポイントを並列動作させる高負荷でも動作することを確認しました。
2023/12/31:2023年の締めくくりになるHP再開に向けて、電動ポイント用DCCデコーダのサージ対策を検討して実験を行いました。保護部品に頼らない(保護部品の脱落の心配がない)サージ防止の方策が見つかりました。
詳細は以下の各リンクから参照ください。
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●DCCポイントデコーダの増産準備が整いました(Ver3)
前バージョンの小型版ポイントデコーダは、部品間隔が狭く実装作業の効率が悪いため、増産に備えて、実装が容易になるように部品配置を見直しました。
KATOの手動ポイントR550+ポイントマシンに実際に組み込んで動作確認を行いました。
●ポイントマシンのサージ発生と対策効果のシミュレーションを行ってみました
AnalogDevices社が提供している回路シミュレータ LTspice を利用して、ポイントマシンのサージ発生と、サージ対策の効果をシミュレーションしてみました。
期待していた以上に試作デコーダでの実測と近い結果になりました。
手間をかけて焼損のリスクもあるソレノイドやモーター周りの試作実験を繰り返さなくとも、最適な回路パラメータや、様々な条件での結果が予測できるので、作業が大いにはかどりそうです。
●ポイント用DCCデコーダを小型化しました(Ver2)
KATOの電動ポイント#4に収まるように小型化したバージョンを製作しました。
動作時の電流や電圧の計測を行ったところ、サージの発生が解消されていて、想定通りに素子の定格内で動作していることを確認できました。
●サージが発生しないポイント用DCCデコーダを製作しました(Ver1)
焼損対策としてコイルサージの発生防止のアイデアを利用したポイント用デコーダを製作しました。薄型の片面実装でKATOの電動ポイント#6にちょうど収まるサイズです。
KATOのHO電動ポイント2台、KATOの外付けポイントマシン、TOMIXのNゲージポイント、計4台を並列に接続するという、かなり過酷な条件(設計上はギリギリか少し超過です)でも見かけ上は元気に動いています。定格内で動作しているかの検証はこれからです。
焼損事故が多いポイント用DCCデコーダについて、損傷の原因となるサージ電圧の発生そのものを防止して、保護素子に頼らずに部品の脱落などにも強いフェイルセーフ動作をする回路を検討しました。MOSのゲート容量を利用してターンオフ時の時定数を制御して、サージの発生を抑えるという方法を思いついたので、テスト回路を試作しました。
電動ポイントでは、思いのほか高圧のサージ電圧が発生することや、考案した方法でサージの発生を抑えられることも確認できました。
アナログ制御では難しい、超低速での安定した低速運転を実現するために、モーター内蔵のセンサーを利用したブラシレスモーター用のデコーダを製作しました。
車両への組み込みや、アルゴリズムの改良、チューニングなどまだまだ課題がありますが、デコーダハードウエアの製作と動作確認ができましたので、ご紹介します。
組み込み用デコーダなど、MPUを用いた基板を小型化したいときに、書き込み用のコネクタスペースを節約できるよう、スルーホールに直接つなぐクリップ型アダプタを製作して利用しています。